Interviews

2021-08-30
シェフ オリビエ オドス シェオリビエ 市ヶ谷 / フレンチ
時間をかけて進化する
Chef Olivier Oddos Chez Olivier Ichigaya / French
With No Prior Experience Nor Knowledge…
https://www.eatpia.com/restaurant/chez-olivier-ichigaya-french

EATPIA

 

シェ・オリビエを開いて今年で12年目とのことですが、最初に日本に来たのは料理学校「ル・コルドン・ブルー」で教えるためでしたね?

 

シェフ オリビエ オドス

 

そうです。東京校でフランス料理を教えてみないか?というオファーが来たんです。でも実は、それまでコルドン・ブルーに関しては名前すら知らなかったんです。

 

海外でフランス料理を教えることは面白そうで、自分自身の成長にもつながると思って、日本行きを決めました。

 

 

2000年8月に東京に来て、2004年には神戸校の開校に携わり校長も務めました。2007年に東京校に戻ってエグゼクティブ・シェフになりました。

 

コルドン・ブルーでは教えるだけでなく、そのカリキュラムを日本人スタッフと一緒に考えたり、マーケティングやマネージメントにも携わり、イベントも企画しました。カナダやメキシコ、台湾に行ったり、本を出したり、多くのことを経験できました。

 

コルドン・ブルーの日本での発展と共に自分自身の仕事もステップ・アップできましたし、とても恵まれていたと思います。

 

日本の生徒は学ぶ事に積極的で、フランス料理を教えるという事は自分にとって大きな喜びでした。今、振り返ってみても、とても充実した9年間だったと思います。

 

EATPIA

 

それでも自分のレストランを開こうと思ったのは何故なのでしょうか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

自分のレストランを開くことが16歳で料理人になった時からの夢でした。40歳になる直前、もしもこのままレストランを開くという夢を叶えずに料理人としてのキャリアを終えたら後悔するかもしれない、そう考えるようになりました。

 

いろいろ自問自答を繰り返して、コルドン・ブルーでのキャリアに区切りをつけて、夢を実現するために動き始めたのです。

 

EATPIA

 

その時から店名は「シェ・オリビエ」(フランス語で「オリビエの家」)にしようと思っていたのですか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

はい。東京には星の数ほどレストランがあるので、まずは発音しやすくて、憶えやすい名前が必要だと思っていました。

 

ちょっとオリジナリティに欠けるかもしれませんが、この名前なら皆さんに、オリビエの店で、オリビエの料理を食べる…オリビエの家に食べに行くといった感覚になってもらえると考えたんです。

 

でも他に洒落た名前が思いつかなかった…というのが正直なところです。(笑)

 

 

最初は何も分からず…

 

EATPIA

 

自身のお店をオープンするに際して、どんなイメージの料理をつくろうと考えていたのでしょうか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

実は、どんな料理を作るか具体的にイメージできていませんでした。思い返せば、コルドン・ブルー時代は食べ歩きをするくらいで、東京のレストラン事情に関して不勉強だったと思います。どんな料理を日本人が求めているか、わかっていませんでした。

 

シェフになるのも、自分の店を開くのも初めてでしたし、その頃は日本語もあまりできなかったので、業者や生産者とのコミュニケーションも難しい状況でした。

 

出資者やスポンサーがいてオープンしたわけでもありません。予算は限られ、スタッフは3人だけでしたから、シンプルな料理を作り、満足していただくことを心がけていました。

 

 

時間をかけて進化する

 

シェフ オリビエ オドス

 

オープン当時の「シェ・オリビエ」は、“ビストロ・シック(洗練されたビストロ)”だったと思います。そこから長い時間をかけてレストランへと進化し、それに伴い料理もシンプルなものから、より自分の感性を全面に出す料理になっていきました。

 

 

最初はコルドン・ブルーで教えていたような体系化された伝統的なフランス料理を基礎に、新しいレシピの料理を重ねて行ったのですが、そこから次第に、その枠組みから抜け出し、自分自身の料理をつくるようになったのです。

 

EATPIA

 

なるほど。まずは料理が変化していったわけですね?

 

シェフ オリビエ オドス

 

体系化された伝統的なフランス料理のレシピは既に確立されたもので、フランス料理の基礎となる大切なものです。しかしながら基礎を大切にするということは、同じことを繰り返すという事でもあり、それを自分のレストランでやっても良い結果は出ません。

 

コルドン・ブルーにいた時は組織の内側で守られ、外で何が起きているかあまり気にする必要はありませんでした。遅ればせながら、自分の店をオープンしてから、どんな料理が東京で求められているのか知るために、人気のレストランに食べに行ってみたり、お客様から直接感想を聞いたり、業者の人たちから話を聞いて、時には一緒に試食したり、産地まで足を伸ばすようになりました。

 

そうすることで少しづつですが、どんな味わいの料理を日本の皆さんが求めているのか分かるようになってきました。

 

時間をかけて経験を積み重ねることで自分自身が成熟し、あらゆるものを違う角度から見れるようになったのです。その結果、料理が変わり、食べに来られるお客様も変わりました。

 

 

当初はシックなビストロを目指していたシェ・オリビエですが、12年の間に、ガストロミックなレストランに進化したと思っています。

 

EATPIA

 

私はオープン当初からオリビエさんの料理はガストロミックな料理だと思っていましたよ。ただ洗練された料理と比べて、内装はどちらかと言えばカジュアルで、ややちぐはぐな印象があったのを憶えています。

 

シェフ オリビエ オドス

 

そうだったと思います。オープン時は「ついに自分のレストランを開ける!」という喜びで、気持ちが舞い上がっていましたから、何も見えていなかった。ただ洗練された料理を食べてもらうということだけで、具体的なコンセプトは何もなかったんです。

 

だから「シェ・オリビエ」はコンセプトありきではなく、時間をかけて自然とコンセプトが明確になってきたような店です。日本人にとって店のコンセプト、つまり「この店はどんな店なのか?」を最初に知ることが大切なことだと、後になって気付いたわけです。

 

 

世界中から
食べに来てもらう

 

EATPIA

 

普段「シェ・オリビエ」にはどんなお客様がいらっしゃるのでしょうか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

常連の方が多いのが特徴です。今日の夜も満席なのですが、殆どがリピートの方々。面白いことに、ここで食事をしていると、お隣のテーブルが知り合いだったなんてことも多いんですよ。

 

店の近隣にお住まい、もしくは職場がある人も少なくないのですが、多くは他のエリアから来店される方々です。ここは都心でも、六本木や銀座と違って人が集まるようなエリアではありません。でも静かなエリアにあるからこそ、家に帰るかのように、何度も足を運ばれる方が多いのだと思います。

 

EATPIA

 

ここで食事をしているとフランス語を耳にすること多いのですが、日本人同様にフランス人のお客様も多いのですか? 

 

シェフ オリビエ オドス

 

勿論、いちばん多いのは日本人。外国人はフランス人に限らず、ヨーロッパ、アメリカ、アジア人も来られます。

 

ミシュラン・ガイド東京の2014年版から一つ星を獲得していることと、Tripadvisorなどでの評価も高いため、コロナ以前には海外からの旅行者も多かったです。

 

EATPIA

 

なるほど。海外のお客様はフランス人シェフが日本の食材を使ってつくるフランス料理に魅かれて来店されるのでしょうか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

海外の方々が何を期待して「シェ・オリビエ」に来てくれるのか…よく分かりません。正直なところ、自分の料理を説明するのが苦手なのです。

 

でも日本の食材を積極的に取り入れていることは事実です。日本には驚くほど多くの種類の食材があって、クォリティも高い。特に海産物は素晴らしく、野菜も美味しいです。最近は新潟産のアスパラガスを使っているのですが、本当に美味しいと思います。ホロホロ鳥は岩手県産のものを使って、牛肉はもちろん和牛です。日本産以外はすべてフランス食材を使っています。たとえばシャラン産の鴨など。

 

EATPIA

 

こうしてシェフの話を伺っていると、料理が好きで好きでたまらない根っからの料理人であることがわかりますね。

 

シェフ オリビエ オドス

 

はい、料理をつくることは自分にとって大きな喜びであり幸せです。休みの日でも家で料理をつくっています。

 

 

信頼できる
スタッフに恵まれて

 

EATPIA

 

「オープン当初は料理のことしか頭になかった」とのことですが、今お店では料理以外のことも見ているのでしょうか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

いいえ、今でも自分は料理をつくるだけなんです。あとはお客様に最後にご挨拶するだけで、サービスや経営に関しては、それぞれ担当者に任せて私は料理に集中しています。

 

EATPIA

 

「シェ・オリビエ」に来るとスタッフの動きにはリズム感があって、心地良い緊張感を醸し出していることに気づきます。

 

シェフ オリビエ オドス

 

そうですか?そう言ってもらえると嬉しいです。毎日ここで働いていても、誰かに言われるまで気づかないこともあるんです。

 

EATPIA

 

料理だけでなく「シェ・オリビエ」のサービスは、ミシュランの星を2つ3つ獲得しているレストランと比べても遜色ない、素晴らしいレベルだと思います。

 

シェフ オリビエ オドス

 

ありがとうございます。以前は料理をしていてもサービスやお客様のことが気になって…様子を見にキッチンの外に出たこともありました。

 

わざわざ足を運んでくださった方に満足していただくことが何よりも重要で、少しでも満足していただけなかったと知ると悲しくなるのです。何が原因だったのか気になって一晩中眠れないこともありました。でも今はサービスは表のスタッフに完全に任せて、料理に集中できるようになったことが嬉しいです。

 

サービス以外の業務、経営や営業企画に関しても、主要なスタッフが積極的に取り組んでくれています。オープン以来、ひとりひとりが自分の場所と役割を見つけながら今に至っています。

 

 

ワインと楽しむ料理

 

EATPIA

 

お店に入ってすぐ左手にワイン・セラーがありますが、ワインを選んでらっしゃるのはオリビエさんですか?たしかボルドーのご出身でしたね。

 

シェフ オリビエ オドス

 

ワインを飲むのは好きですが、ボルドー出身でもワインに詳しいというわけではなく、オープン当初は料理のことで頭の中がいっぱいで、ワインのことを考える余裕はありませんでした。料理をつくりながら少しづつワインへの思いが深まってきた感じです。

 

知り合いのフランス人ソムリエのおかげでワインの魅力に目覚めてしまったということもあります。今はソムリエの資格を持つサービス・スタッフと話し合いながらワインを選んでいます。

 

EATPIA

 

オリビエさんはどんなワインが好みですか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

白だったらフレッシュでミネラル感があり、軽すぎず重すぎないタイプ。赤なら果実味があり、ふくよかで、まろやかなものが好きです。

 

 

ボルドーの年代物やヴァレ・デュ・ローヌ、例えばコート・ロティ、シャトー・ヌフ・ド・パップなどシラーが主体なものと、もちろんピノ・ノワールも好きです。ブルゴーニュは選ぶのが難しいですね。当たり前ではありますが、美味しいということが一番の条件です。

 

EATPIA

 

お話を伺っていると、オリビエさんの好きなワインの特徴は、つくる料理の特徴に重なりますね。まさに軽すぎず重すぎ、素材が感じられ、決して平坦ではなく、味わいにメリハリがあるような感じです。

 

ワイン・ペアリングで料理を楽しむ方も多いようですが、そのことを意識しながら料理しているのでしょうか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

この店のセラーは大きくないので、扱っているワインは殆どフランスのものですが、ワイン・ペアリングではもう少し自由に、日本や他の国のワイン、ときには日本酒も交えてお楽しみいただいています。

 

 

自分だけの料理ではない

 

EATPIA

 

そういえば厨房の様子をガラス越しに見れる場所に小さなカウンター席がありますが、ターブル・ドット(シェフズ・テーブル)ですか?とてもユニークなスタイルですね。

 

 

シェフ オリビエ オドス

 

はい、厨房の中が丸見えの席です。あの席を指定して予約されるお客様も少なくありません。料理に興味があったり、ご自分でも料理したりする方ですね。食材が料理になっていく工程を目の当たりにするのが楽しいようです。写真を撮ったり、質問してくれたりしながら楽しんでくれています。

 

EATPIA

 

拝見すると、厨房のスタッフ日本人ばかりなのですね。

 

シェフ オリビエ オドス

 

はい、私を入れて5人。私以外は日本人です。おかげさまで、やる気のある若い子たちが集まってくれています。この仕事は肉体的にも厳しいので、情熱がないと長続きしません。でも今のスタッフはしっかり定着し、良い雰囲気で働いてくれています。

 

ここでは年に何回かポジションを交代しながら全員がアミューズからデザートまで全てを経験できるようになっています。

 

EATPIA

 

日本人スタッフから国民性のようなものを感じることはありますか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

日本人は真面目で、おとなしいですね。もっと好奇心を強くもって、積極的に私に質問して、必ず味見をしてもらいたいと思っています。特に味見は大切で、当たり前のことではありますが、私は自分で味見をしていないものをゲストに出すことはありません。

 

 

その一方で、日本人は仕事が丁寧で、スピーディかつ正確に仕事を進めていってくれるところが素晴らしいです。新しい料理のつくり方を説明すると、彼らが予想外のやり方を逆に提案してくれて、「良い考えだね!それで行こう!」みたいになることもあります。

 

料理は私が1人でつくるのものではありません。考え出すのは私でも、スタッフと料理のアイデアを分かち合い、納得できるものに仕上げてゆきます。もちろんその過程でサービス・スタッフの意見にも耳を傾けます。

 

 

前向きに進化してゆく

 

EATPIA

 

お話を聞いていると、いろいろな経緯を経て、今の「シェ・オリビエ」の形になって来たことがわかりますね。

 

シェフ オリビエ オドス

 

嬉しいことに常連の方々は「オープンした頃から美味しかったけど、今の方が美味しい」と言ってくれます。

 

料理人は職人です。職人が手を動かしながら、もっと上手になりたい、もっと良いものを作りたい…作れるはずだ、と考えるのと同様に、料理人ももっと美味しい料理をつくりたい、そのためには何が必要なのか考え、努力し続けます。だから経験を重ねて、料理人として私も成熟して来れたと思います。

 

でも中には何年も試行錯誤を繰り返しながら完成させて、自信をもってメニューに載せた料理でも、1年後には「これイマイチだったな…」と思ってしまうようなこともあるんですよ。(笑)

 

 

EATPIA

 

コロナ禍が始まり、最初に緊急事態宣言が発令されてから1年半近くになりますが、お店として大きく変わったことはありますか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

思い切って座席数を減らし、コース料理の価格を見直しました。実は今回のようにソーシャル・ディスタンスが必要になる以前から、座席数を減らしてテーブルの間隔に余裕をもたせたいと思っていたのです。

 

でもその為にはコースの価格を上げなくてはならず、お客様にそっぽを向かれたらどうしよう…など、いろいろ悩み、実行に踏み切れませんでした。

 

この機会に座席数を減らして、一番安かったコースを無くしてみたのですが、危惧していたようなことは何も起こりませんでした。

 

むしろ来店されたお客様は以前よりもゆったりとお食事を楽しめるようになり、メニューが絞り込まれたことで我々も今まで以上に丁寧な仕事ができるようになりました。サービスに関しても同様だと思います。

 

思いがけずコロナがきっかけで、理想としていたレストランのスタイルに近づけた今、以前のスタイルに戻すことは考えていません。

 

 

東京で生活し
働くということ

 

EATPIA

 

そういえばオリビエさん、最初は全くと言っていいほど話さなかった日本語が凄く上達しましたね。

 

シェフ オリビエ オドス

 

ありがとうございます。実は日本語のレッスンを続けています。今でも日本語を話す時は少し緊張します。そもそも喋ること自体が得意ではないので…

 

EATPIA

 

日本での生活はいかがですか?

 

シェフ オリビエ オドス

 

僕は日本が大好きなんです。東京では質の高い生活を楽しんでますから、わざわざフランスに帰ろうとは思いません。

 

特に子供がいる家族にとって東京は理想的な街です。なにしろ子供が自由に安全に遊べますから…こんな都市は他にはないですよ。勿論、フランスにいる家族や友人、街並みやマルシェなどは恋しいですが、生活するために戻るつもりはありません。

 

すでに日本に来て23年になり、多くのものを築いてきました。家族やレストランだけでなく、レストランに来てくれたゲストと親しくなったり、近所に住んでいる人が声をかけたりしてくれます。ここは東京という大都市の中心ではありますが、小さな村のように思えることもあります。

 

EATPIA

 

是非これからも東京で美味しい料理をつくり続けてください。今日は貴重なお時間をありがとうございました!

 

 

オリビエ・オドス・シェフのレストラン「シェ・オリビエ」に関しての詳細は以下のリンク先で見ていただけます。


https://www.eatpia.com/restaurant/chez-olivier-ichigaya-french

 

 

今回のインタビューはフランスの食文化に精通したCREMAの勅使河原加奈子さんがフランス語で行なったものです。

 


他のインタビューは以下のリンク先で見ていただけます。

 

https://www.eatpia.com/interviews

EATPIA:

 

It’s been 12 years since your restaurant Chez Olivier opened its doors. However, you originally came to Japan to teach at the French culinary school, Le Cordon Bleu, didn’t you?

 

Chef Olivier Oddos:

 

Yes. I was asked if I was interested in teaching French cuisine in Tokyo. But, back then, I had no idea about Le Cordon Bleu.

However, the thought of teaching French cuisine overseas sounded very exciting, so I decided to take it. I imagined it would develop me as a culinary professional.

 

That was in August of 2000. After that, I helped open the Kobe branch in 2004, and became the principal there. In 2007, I returned back to Tokyo to become the executive chef.

 

In addition to teaching, I was also involved in various degrees with developing the curriculum, organizing events, marketing, and management as well. The job gave me an opportunity to visit Canada, Mexico, and Taiwan. And I even published a book!

 

Coming to Japan has helped me accomplish many things. Looking back, I think I was very fortunate that I was able to develop myself at the Le Cordon Bleu as it established itself in Japan. I got a tremendous joy teaching French cuisine to Japanese students as they were very eager to learn. My 9 years with Le Cordon Bleu was very fulfilling.

 

EATPIA:

 

Even though you had a great career going at Le Cordon Bleu, what made you decide to leave and open your own restaurant?

 

Chef Olivier Oddos:

 

To have my own restaurant has been my dream ever since I became a cuisinier at the age of 16. Then right before I turned 40 years old, I started wondering if I would ever accomplish that dream. I was worried that I might regret it if I didn’t go after it. So I decided to wrap up my career at Le Cordon Bleu and started making my dream become a reality.

 

EATPIA:

 

Did you already know you would name your restaurant Chez Olivier?

 

Chef Olivier Oddos:

 

Yes. As there are countless restaurants in Tokyo, I thought it was important to have a name which is easy to pronounce and remember.

 

 

Chez Olivier is a rather ordinary name. However, it clearly communicates it’s Olivier’s place. I wanted people to think it’s my house they can enjoy coming to.

 

But frankly speaking, I was unable to come up with a cool name.

 

 

With No Prior Experience
Nor Knowledge…

 

EATPIA:

 

Upon opening your own restaurant, did you have an image of what kind of cuisine you were going to cook and serve?

 

Chef Olivier Oddos:

 

I have to admit, I didn’t. I hadn’t studied Tokyo’s restaurant scene. Aside from dining out occasionally, my knowledge was very limited outside Le Cordon Bleu. I had no idea what kind of French cuisine Japanese people were keen to eat.

 

There were only four of us in the team with no prior experience in opening restaurants, no investors or sponsors, on a very tight budget, all working hard to come up with the best dishes possible.

 

I wasn’t even sure how I’d be able to communicate with producers and vendors for ingredients I was after, as I couldn’t speak Japanese.

 

 

It Takes Time to Evolve

 

Chef Olivier Oddos:

 

When Chez Olivier opened its doors, it was something like bistro chic, or sophisticated bistro. I cooked the dishes similar to the ones I was teaching at Le Cordon Bleu. Those were based on traditional French cuisine. But gradually, I grew out of the structure of tradition and started cooking in my own style.

 

Since then it has slowly evolved to become the restaurant it is now. The style of my cooking has also evolved with it. Now, the dishes feel like a reflection of my culinary sensibility.    

 

EATPIA:

 

I see. So your style of cooking has changed?

 

Chef Olivier Oddos:

 

Yes. Traditional French cuisine recipes are well codified. They are extremely important as they are the foundation of French cuisine. However, by sticking to the foundation, you often end up repeating the same thing over and over. You can’t do this if you want your restaurant to be successful.

 

At Le Cordon Bleu, I felt secure within the institution. I didn’t have to pay attention to things taking place outside. It wasn’t until after opening my own restaurant that I started belatedly visiting restaurants which were hot at the time to find out what kind of food was popular in Tokyo. I started asking for feedback from my guests. After that, I started proactively communicating with ingredient producers and vendors. We were tasting their produce together. I even visited their farms.

 

By doing that, slowly and steadily I began finding out what kind of food, and tastes, my Japanese customers preferred.

 

 

By taking time, and experiencing many things, I began to see things from different angles. Naturally, my style of cooking changed, and also the types of diners changed that frequented my restaurant.

 

Twelve years on, Chez Olivier —initially a chic bistro, has evolved into a gastronomic restaurant.

 

EATPIA:

 

Very interesting. I’ve always thought your dishes were gastronomy since the beginning. However, I remember the original interior seemed overly casual. It slightly mismatched with the sophistication of the dishes you were serving.

 

Chef Olivier Oddos:

 

I know what you mean. Back then, I was so excited about opening my own restaurant that I only thought about the food. I had no overall concept for what kind of restaurant it was going to be. Although, without a concept to begin with, Chez Olivier gradually developed its own concept.

 

However, I didn’t think about the fact that people wanted to know the concept of the restaurant up front. In hindsight, I see that I should have clearly communicated that from the beginning.

 

 

Coming from
All Over the World

 

EATPIA:

 

Could you please talk about your guests?

 

Chef Olivier Oddos:

 

We have a lot of regulars. Tonight is fully booked, and the majority of them are regulars. I’ve heard many of them often bump into their friends when they come here.

 

Some diners live or work nearby, but the majority of our guests come from other areas. Even though we are situated in central Tokyo, it is relatively quiet here, unlike Ginza or Roppongi. However, I believe that’s the charm of the area, and why people enjoy coming here.

 

EATPIA:

 

I often hear people speaking French here. Do you have many French diners?

 

Chef Olivier Oddos:

 

Some are French, but the majority of our guests are Japanese. However, our clientele also includes people from all around the globe.

 

We have held a Michelin star since its 2014 edition, and are also positively rated on Tripadvisor. Both these things helped us attract a lot of inbound diners prior to Covid-19.

 

EATPIA:

 

Do you think your diners are interested in French cuisine made with Japanese ingredients?

 

Chef Olivier Oddos:

 

I don’t know what they are looking for when they come to Chez Olivier. In fact, I don’t even know how to explain my own cooking.

 

 

But one thing for sure, I really enjoy using Japanese ingredients. There is an amazing variation of quality ingredients here. The seafood is fantastic. Vegetables are all fresh and tasty. These days I use asparagus from Niigata prefecture, it’s really good. I use guinea fowls from Iwate. And I only use Wagyu beef. However, there are a few French ingredients I use too, such as Challans duck.    

 

EATPIA:

 

Listening to you, I can tell you’re a born chef, and extremely passionate about cooking.

 

Chef Olivier Oddos:

 

Yes! For me, cooking is a huge joy. I even enjoy cooking at home on my days off.

 

 

Surrounded
by Reliable Staff

 

EATPIA:

 

Earlier you said, when initially opening your restaurant your focus was the food. Are you now involved with things other than the food?

 

Chef Olivier Oddos:

 

It’s still the same. Cooking is the only thing I do here. Actually, in addition to cooking, I greet and speak with guests after they finish their meal. I let my business partner and staff take care of the other functions of the restaurant. This way, I can focus all my attention on the food.

 

EATPIA:

 

Every time I walk in here I notice your service staff are always cheerful, and attentively serving diners.

 

Chef Olivier Oddos:

 

Really? Thank you for telling me that. Even though I work here every day, there are things I don’t notice unless someone tells me.

 

EATPIA:

 

The food served here is not the only thing that deserves recognition here. I really think the quality of your service is excellent. It is comparable to that of Michelin double or triple starred restaurants.

 

Chef Olivier Oddos:

 

Thank you very much. Actually, I used to be so concerned about our quality of service that I couldn’t help myself from stepping outside of the kitchen to see how our service staff were doing.

 

The most important thing for us to do at the restaurant is to fully satisfy our guests. It disappoints me when we fail to perfectly pull that off. I used to lose sleep over wondering what went wrong. Now, I’m very glad that I can let my staff do what they think is best. They have all found positions for themselves to help the restaurant operate as best we can. This allows me to focus on the food.

 

 

Wines
To Be Savored
with Food

 

EATPIA:

 

I understand you’re originally from Bordeaux, and I am curious if you had a hand in selecting wines to fill that nice wine cellar just inside the door?

 

Chef Olivier Oddos:

 

I enjoy drinking wine, but being from Bordeaux unfortunately doesn’t qualify me to be knowledgeable about them. Like I said, when I opened the restaurant my mind was too preoccupied with the food I was going to cook, to think about what wine to stock.

 

Since then, I have gradually developed my palate thanks to my French sommelier friend. He has definitely awoken me to wine. Now at the restaurant, we have a certified sommelier selecting wines for us.

 

EATPIA:

 

What kind of wine do you enjoy drinking?

 

Chef Olivier Oddos:

 

I like fresh and mineral white wines, not too light, nor too heavy. When it comes to red wine, I like generous and full-bodied ones with a rounded taste.

 

I also enjoy vintage wines from Bordeaux, and Syrah from Rhone Valley, such as Cote-Rotie and Chateauneuf du Pape. Oh, and pinot noir.

 

 

EATPIA:

 

It’s very interesting that characteristics of wines you enjoy drinking are applicable to describe your dishes. They are not too light nor too heavy. Their tastes are never flat, and always nicely modulated.

 

I’m sure many of your guests enjoy your dishes paired with wine.

 

Chef Olivier Oddos:

 

Majority of our cellar is stocked with French wine. However, I want our guests to freely enjoy wine pairings. We include pairings with wines from around the world, along with pairings with Japanese sake.

 

 

I’m Not the Only One 
Doing the Cooking.

 

EATPIA:

 

There are counter seats from which diners can look at the action taking place inside the kitchen through the window. It is like a chef’s table.

 

 

Chef Olivier Oddos:

 

From the counter, you can see everything in the kitchen. Many of our regulars make sure to request those seats when they make reservations. Those people are definitely gourmands. They especially enjoy watching ingredients being transformed into dishes. They also enjoy taking pictures and asking questions.

 

EATPIA:

 

I noticed that all of your kitchen staff are Japanese.

 

Chef Olivier Oddos:

 

In total, there are five staff inside the kitchen. Outside myself, they are all Japanese, all young and motivated. This job is very physically demanding. You won’t last unless you’re very passionate. Fortunately, they all came here to stay. We have a good chemistry going in the kitchen.

 

They rotate positions every couple of months so that they can learn everything from amuse bouche to dessert.

 

EATPIA:

 

What do you think about Japanese staff? Do you notice anything like national character?

 

Chef Olivier Oddos:

 

I’ve often found Japanese people to be serious and calm. I want my staff to be openly curious and eager to learn. I want them to speak up and ask questions. And, I want them to understand the importance of tasting everything they make before serving. It sounds minor, but it’s extremely important. I never fail to taste dishes I make before they are taken to the tables.

 

The great thing about Japanese staff is that they cook quickly, precisely, and with great care. They even get creative sometimes. When I create a new dish, I explain to them how to cook it in detail. However, they often come up with better ways to cook it, and I often say, “That’s a great idea! Let’s do it that way.”

 

This means I’m not the only one doing the cooking. I just present the ideas, then it evolves through the process. We even seek input from our service staff.

 

 

Proactively
Cope with A Situation
to Move Forward

 

EATPIA:

 

You have been through a lot of things to bring your restaurant to its current form.

 

Chef Olivier Oddos:

 

Fortunately, one of our long-time regulars says, “Food was already good when this place opened, and now it is even better.”

 

I think all cuisiniers and chefs are like artisans. Just like those artisans are always working and striving to be better and make their products better, we keep cooking to better ourselves and come up with tastier dishes. We don’t stop pushing and improving ourselves. We are constantly thinking, ‘how we can hone our skills?’ Going through these processes, I’ve gradually matured myself as a culinary professional.

 

But at the same time, funny things happen sometimes. It might take a couple of years to perfect a new dish and have it confidently debut on the menu. But, only a year later, we sometimes end up seeing the same dish, scratching our heads and saying, “Why do we have this one on the menu? This is not that great.”

 

EATPIA:

 

It’s about a year and a half since the State of Emergency was declared for the first time. What has changed in your restaurant due to Covid-19?

 

Chef Olivier Oddos:

 

We took a risk of reducing the number of tables and revising the menu prices. Actually, I’d always wanted to reduce the number of tables to make our dining space less crowded even before we started talking about social distancing.

 

We were unable to do that because we’d have to increase the menu prices to make up the lost revenue with fewer tables. We were afraid of losing guests with the increased prices.

 

In the end, we removed the cheapest set menu while reducing the number of tables, and nothing we were afraid of happened.

 

 

Now our guests are able to enjoy their lunch and dinner in a more open atmosphere. Our kitchen is working more effectively and efficiently due to the streamlined menu. And, our service staff are able to be more attentive and communicative with our guests. Therefore, In spite of, or because of Covid-19, Chez Olivier has moved forward to get closer to the ideal form of restaurant.

 

 

Living and Cooking in Tokyo

 

EATPIA:

 

I remember you spoke very little Japanese when you opened your restaurant. But, you now seem to enjoy speaking Japanese.

 

Chef Olivier Oddos:

 

I’m still taking Japanese lessons, and I still get nervous when speaking Japanese. Actually, I don’t think I’m good at talking.

 

EATPIA:

 

How do you enjoy your life in Tokyo?

 

Chef Olivier Oddos:

 

I love this country. I have no intention of going back to France as I enjoy the quality life here.

 

For me, Tokyo is an ideal city for families with kids. In fact, I think Tokyo is the only city in the world where kids can freely play around. Of course I miss my family and friends in France, and the beautiful scenery across the cities and countryside, but I wouldn’t go back there just to live.

 

It has been 23 years since I came here for the first time. I have established many things including my family and restaurant. Some of our regulars have become my friends, and I enjoy speaking with people in my neighborhood. Tokyo is a big city with a small village vibe.

 

EATPIA:

 

Great! Please continue making great food in Tokyo. Thank you very much for your time.
 


English text edited by Craig Atkinson. 
 

 

For more information about Chef Olivier Oddos and his restaurant Chez Olivier, please follow the links below. 

 

 

https://www.eatpia.com/restaurant/chez-olivier-ichigaya-french

 

 

 

This interview was conducted in French by Kanako Teshigawara who has an in-depth knowledge of French culinary culture.  

 

 

If you are interested in reading any of our previous interviews, uou can also find at the link below!


https://www.eatpia.com/interviews